安全の基準
ロサンゼルスの治安は現地に10年以上も住んでいる者からすれば、それほど悪い地域だとは思いません。しかし、それは危ない目に遭遇したことがなかった立場から見た目だからかも知れません。過去に何回か危険な思いをしたガイドさんは、おそらく「この街は危険です、決して単独では出歩かないように。特に夜間はもってのほかです。」と注意することでしょう。現地のガイドさんによって喚起の仕方が異なるのは、個人個人の経験に基づいたアドバイスであるからであって、決して出任せを言ったり、オーバーに言ったりしているわけではないのです。
そこでわかりやすい治安(安全度)の見方を教えましょう。現地で歩いて肌で感じた見きわめ方なのでどのガイドブックにも載っていないと思います。4+1のポイントを覚えてください。
4+1のポイント
(1) 路上に古く汚い車がちらほらと駐車している
路上にあまりに古く汚い車がちらほらと駐車してあったら、その地域はそのような収入の人が多い地域だと思ってください。ダウンタウンでも場所によってはこのような風景に遭遇します。そのようなときは速やかに立ち去ってください。
(2) 道路に紙コップやペーパーナプキンが散乱している
道路に紙コップやペーパーナプキンが散乱しているような地域は、そこで生活している人が多い地域だと思ってください。住まいを持たない人たち、つまりホームレスは、路上で食べたり飲んだりするしかありません。ですからそういう人たちが多くいるエリアは必然的にゴミが散乱します。
(3) ガラス窓やドアに鉄格子がはまっていたら要注意
ウインドウガラスやドアに鉄格子がはまっているのは、そのようにしないといけない理由がある地域だと思ってください。逆に、ショーウインドウなど、大きなガラスがむき出しになっているエリアは安全な場所と思って間違いありません。例えば、みなさんよくご存知のロデオドライブのお店で鉄格子のあるところは皆無です。
(4) 塀や外壁に落書きがあるような地域は要注意
塀や外壁に落書きがあるような地域は、失業者などお金がなくてどこへも行けず時間を持て余しているヒマな人が多い地域だと思ってください。ですから、このような風景が当てはまると感じたら速やかに戻った方が賢明です。忙しい普通の人は落書きをする時間はないですよね。こんなところでは何があっても不思議ではありません。
(5) 犬の散歩をしているような地域は安全な地域
犬、しかもペットショップで買うと高そうな犬の散歩をしているような地域にさしかかったら、そこは究極的に安全な地域だと言えます。なぜなら人間の他にペットまで食べさせてあげられる余裕ある暮らしができている証拠ですから。社会的な地位がある程度ある人たちの住むエリアだと想像ができます。
危ない目に遭う確率
よく危ない目に遭う確率はどれくらいか、と聞かれますが、日本で交通事故に遭うくらいの確率、とお答えするようにしています。「車に気をつけてね」、とか「安全運転でね」というような言葉が交わされますが、そうそう毎日危険な目に遭うわけではないですよね。でも油断していたら大怪我をしたり場合によっては死に至ることだってあります。現に親類縁者や同級生などの中には交通事故にあった人もいるでしょう。アメリカではこのくらいの確率で危険な目に遭う、と思ってください。だからと言って異常に神経質になり過ぎる必要もありませんが、「危ないと言われているところを夜中歩いたけど何もなかったよ」というのは運がよかっただけのことですから、気を引き締めて常識的な行動を取ってください。
アメリカで歩いていると、バス停の名前がない、交番がない、ベランダに洗濯物が干していないなど、日本との違いに気付くと思いますが、それと同時に治安に対するアンテナもピピピッと張っててくださいね。